日本では普通、カードの事をトランプと呼んでいるが、正式には「プレイング カード」(Playing card)~略してカード~と呼ぶのが正しい。
トランプ(trump)とは、本来「切り札」の意味で、江戸末期、わが国に来たポルトガル人が、カードを使ってゲームをしている時「トランプ!」と言う言葉をしばしば使っていた為、それを聞いた日本人が間違えて「モノの名称」として使われるようになってしまったのである。
従って海外で、例えば、カードを購入しようとして「トランプありますか?」と聞いたりしても全く通じない。
日本で初めてトランプが作られたのは、今から400年前の事。福岡県大牟田に行くと「カルタ記念館」と言う立派な市立博物館がある。長崎に近いこの大牟田はポルトガル人の影響を受けており、「この地に住む『三池住貞次』と言う人が作ったトランプがわが国最古のトランプである」と記録されている。
サイズはいろいろあるが、基本的には次の2種類に集約される。
(1) ポーカーサイズ タテ 3 1/2インチ ヨコ 2 1/2インチ
(2) ブリッジサイズ タテ 3 1/2 インチ ヨコ 2 1/4インチ
つまり、ポーカーサイズが標準とすると、ブリッジサイズはそれに較べてヨコが1/4インチ狭くなっている。
厚さもいろいろあるが、52枚で14ミリ~16ミリ位が一般的だろう。
変わった形状については、正三角形 正方形 円形 超長方形 楕円形 ジクザク形など、さまざま。そのほかハート形やパイナップルの形をしたもの ・・・などいろいろある。
変わったサイズもいろいろあるが、今回は超大型と超小型(いずれも52枚揃っているもの)をご紹介しよう。
▼参考データ
(1) 超大型カード タテ34.2cm ヨコ22.2cm (759.24平方センチ)
(2) 超小型カード タテ2.3cm ヨコ1.5cm (3.45平方センチ)
[ 両者の面積比較 約220倍 ]
カードにはダイヤ、クラブ、ハート、スペードの4種類と数字(A~10)それにジャック、クイーン、キングの3つの絵札がある事は申しあげるまでもない。
また、現代ものか、古典的なものかなど作られた時代によって、あるいは国、地域の歴史的背景によるデザイン、さらには広告など別の目的で作られたものは特異なデザインとなることもしばしばある。
しかしながら皆さんがお持ちになっているカードの大半は、おそらく、この100~200年位の間に世界中で作られた標準的なもので、マークや絵などは殆んど同じものであろう。
ここにアメリカのカードでユーモアに溢れたものがあるので、ご紹介する。如何にもアメリカ人らしい発想のカードである。
2組のカードが箱に入っている、1組は普通のカード。もう1組は………「普通のカードと何処か違っている」
フェースをよく見ると「スペードの7」でありながら、マークが赤であり、マークは7つではなく8つある事に気付く。
スペードのクイーンにしても顔が側面(従って眼は片方だけ)である事は通常のカードにはない事である。また通常のクイーンは手には花だけを持ち兵器は持っていない。
私たちは歩きなれた道端でも、更地になった所を見て以前にどんな家が建っていたか思い出せない事がしばしばある。見慣れた光景はつい見過ごしてしまいがちである。このカードも52枚全てにおいて盲点を突いたデザインで興味を掻き立ててくれる。