「カード コレクション」はカードを入手することから始まる。ホテルや空港の売店で幾らでも買い求める事が出来るだろうし、またデパートや専門店でもそれなりにかなり貴重な品も手に入るが、私の場合その過程にこだわっている。それは集めるための手間や苦労である。
何年か前、私はカードを求めて、英国 スイスを中心としたヨーロッパ旅行に行った事がある。カードつまりトランプ関連グッズを求めての旅だった。
たまたま、大手銀行のロンドン支店勤務のマジック仲間から薦められて、スコットランドにある世界一のカード専門店「サマビル オブ エジンバラ」を訪問した。
ヒースロー空港発 9:00AM。空路 エジンバラには10:15AM着。
羊や馬がのどかに放たれている牧場など、美しい丘を車で通り抜け、エジンバラ市内に入る。丁度ロイヤルファミリーが滞在中とかで、街中、歓迎ムードがあり、国旗を持った市民で賑わっていた。そんなムードも、今にして思えば極めて印象的であった。
「サマビル オブ エジンバラ」は当時、世界一のトランプ屋。と言っても、80坪位の小さなショップであったが、売り場はもとより壁面も含めてカード関連グッズで溢れていた。店員にトランプについて質問をすると、すぐバックルームにまわって希望の品を持ち出して来るなど、裏方には更に珍品、逸品を在庫しているようであった。[
カードは1枚ずつ印刷するのではなく、紙幣印刷と同じ様に、54枚(ジョーカー2枚を含めて)を一度に刷って、それを裁断する事も、そこで初めて知った。
そう言えば、以前 日本の某百貨店で「バイシクル」を買った処、裁断ミスのカードが1組が含まれており、不良品である旨を伝えて普通のカードに交換してもらった事があったが、今にして思えばコレクターとしては貴重な品を返品してしまった事で、“極めて残念!”と言える事でもあった。
同社の社長 ロダリック サマビル氏はIPCS(The International Playing Card Society)の会長職にもあった人だが、面談には快く応じて頂けた。彼はスコットランドの民族衣装(スカート)を身に着けていた。遥か遠い北欧の地に来ている印象を深くした。
IPCSへの入会も勧められた。名簿を見ると、日本人は5人(東京3人、その他2人)で、プロ・アマ問わず有名なマジシャンの名前は見当たらなかったので、その時は、入会を見送った。
「マジシャン」と「コレクター」は違うのかな・・・・? とつくづく思った瞬間であった。
同社では、めずらしいデザイン、変わった形状のカード、その土地の歴史と関わりを持つカードなど約30個ほどと、幾つかのマジックグッズを買い求めたが、帰国後数えて見ると、このツアーで購入したカードは合計92個、シンブル45個に達していた。
重さは14キログラム、帰国時、空港でオーバーウエイトチャージをとられた事を想い出す。