<解説> このパズルは筆者の自慢の創作デザインです。七福神がちょうど消滅パズルに適していると考え、そのデザインを工夫し始めてから、最終的作品が完成するまでに数年の月日がかかりました。完成した作品は、筆者の「ビギナーズマジック(東京堂)」出版記念パーティーのお土産に使われ、その後、TAMCの新年会のお土産にしたこともあります。
<用具> 1枚の図柄を3枚に切り離したものです。(写真1)
3枚の裏には次の文章を書いておきましょう。
① 小さい切片 七福神のうち、
② 中間の切片 六神しか船に乗っていないようです。
③ 大きい切片 どの神様が欠けているのでしょうか?
<演出>
1. まず、パズルを見せる前に、観客の一人を選び、次のように話かけます。「日本には伝統的に七福神という信仰があるのをご存知と思いますが、七福神のメンバーを挙げてみてください。」すると、観客は頭に浮かぶ神様の名前を挙げるでしょう。しかし、七神を全部すらすらと挙げられる人は少ないでしょう。名前として出やすいのは大黒、恵比須、弁天、布袋あたりであり、出にくいのは福禄寿、毘沙門、寿老人あたりでしょうか。
2. ここで、パズルを取り出して、並べて整えますが、この時点では、「寶」と書かれた船の帆を右上に配置します。見えるのは六神です。(写真2)ただし、このときは神様のデザインは乱れている状態なので、個別の神様の名前を言及するとすれば、右上の寿老人、右下の弁天に限定する方が無難です。「どうですか。この絵で船に乗っている神様は1,2,3,4,5,6人ですね。(指差して数える。)この絵を見て、まだ他の神様を思い出されますか。」と聞きます。この時点で、新しい神様の名前が出てくることもあるでしょう。
3. 次に、3枚の切片を裏返し、「七福神のうち、六神しか船にのっていないようですが、どの神様が船に乗りそこなったのでしょうか。神様が一人欠けていたのでは目出度さが半分ですから、最後の神様をお招きすることにいたしましょう。」と言います。
4. ここで、3枚の切片を表向きに戻し、再び整えますが、この時点では船の帆を左上に配置します。すると七福神がすべて揃っていることがわかります。(写真3)「左から布袋、福禄寿、寿老人、大黒、恵比須、毘沙門、弁天の七福神です。めでたし、めでたし。この絵柄をプレゼントしますので、今晩寝るとき、それを枕の下に敷いて、お休みください。今夜、いい夢を見ることができて、明日はきっといい日になりますよ。」と話を締めくくります。
<後記> このデザインの完成までに、いろいろな七福神の資料を調べました。そして、作図に際しては、服装や小道具を慎重に選びました。縁起物ですので、コピーしてプレゼントにご活用ください。元旦に枕に下に敷いて寝ると、いい初夢をみることができるでしょう。