ダブルインデックスカード(以下DICと表記)を使用したこのトリックは、1枚のカードの変化または出現や消失としても演じることが出来るので、ある意味、融通のきくトリックとも言えます。DICは、3と2、7と6なども可能ですが、ここではクラブの4とクラブの5のDICを使用しています。
現象
パフォーマーは手に持ったデックのフェイスカードを客に見せてから、手を返してデックをフェイスダウンにします。手を元に戻すとフェイスカードが変化しています。
準備
・クラブの4とクラブの5のDIC 1枚 <写真1>。
・デック1組(客に借りた方がより効果的です。)
写真1
DICのクラブの4のインデックスを客側に向けて密かにデックのフェイスにセットしてフェイスダウンでテーブルに横向きに置いておきます。クラブの4のインデックスは右下コーナーにきています。
手順
-
パフォーマーはボトムカードの位置を変えないテーブルリフルシャフルを行い、デックを揃えます。左手でデックの上から両サイドを握って取り上げ、フェイスを自分の方に向けます。または単にデックを左手におき、フォールスシャフルかフォールスカットを行っても構いません。この時デックのフェイスが客に見えないように注意します。
-
そして、左手小指の指先でフェイスカードの右下コーナーのインデックスの5をカバーして、左手親指の指先で中央のクラブのマーク(ピップ)をカバーします<写真2>。
写真2
-
デックのフェイスを客に示します。客は左上コーナーのインデックスの4が見えているので一見、クラブの4のカードだと思います。
-
次に左手の平を<写真3>のように下向きにターン(パームダウン)して直ぐに左手親指を左上コーナーに移動してインデックスの4をカバーして、左手中指、薬指、小指の指先を少しだけ伸ばして右下のインデックスの5が見えるようにします。この動作はデックのフェイスを見ないで行います。
写真3
-
そして、躊躇しないで左手の平を上向きにターン(パームアップ)してフェイスカードを示すと、客はインデックスの5が見えるのでクラブの5のカードにチェンジしたと思います<写真4>。この左手のターンアクションは、何のためらいもなくスピーディーに行うと客をビックリさせるカードチェンジになります。
写真4
『M.I.N.T. vol.Ⅰ』by Edward Marlo、P.351
(訳者追記)
日本人のように手の平が小さい場合は、デック半分のパケットの方が演じ易いです。そして、このチェンジは開き直りと言うかある程度の勇気が必要です。
Copyright © Tokyo Magic Co., Ltd.
著作権は各記事の筆者または(株)東京マジックに属します。
Photo: study by CodyR