現象
左手拳に入れた3枚のコインがお呪いをすると1枚ずつ右手から現れます。
準備
上着の右ポケットに3枚のハーフダラー(または3枚のワンダラー)を入れておきます。
両手はリラックスポジションでテーブルエッジに付けておきます。
ルーティーン
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パフォーマーは右手でポケットから3枚のコインをスタックで取り出して、
右手の甲を上に向けて、テーブルへコインを左から右へスプレッドして、
右手を元のテーブルエッジに戻します。
次に左手を上げて、何気なく手の平を客に見せてから指を握って拳を作ります、手の甲を左側へ向けると親指が拳の一番上にきて、それと一緒に指を閉じた縦穴ができます。
続けて右手は右端のコインを取り上げて、右手の平を上に向けたフィンガーパームの位置に置いて客に示します<写真1>。
写真1
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コインは中指と薬指のベース近くに平らに置きます。この中指と薬指を曲げるとコインはフィンガーパームできます。
そしてこの位置はルーティーンの初めから終わりまで変わりません。
それぞれのコインは左手拳の上に挟む少し前に、この位置にパームします。
次に右手は手の平を下にターンしながら左手拳の上に持ってきますが、
右手の親指はコインをその場に押さえて、他の4本指を揃えて伸ばします。拳の上にある右手の指は揃えて下方を指していることに注意します<写真2>。
写真2
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右手は親指でコインを左手の上部の穴の内側へ真っ直ぐに立てて入れます。そしてコインをそこへ残して、右手を左手から放します。コインは、その下部を左手の親指と人差し指のベースに挟まれた形になっていて、コインの約半分以上が拳の穴から上に突き出されています。
次に右手の人差し指を伸ばして、左手拳の上に突き出ているコインの上部の縁に付けて、コインを下方へ押しさげます<写真3>。
しかしこの時に、コインを左手の人差し指の指先に押し付けると、コインは回転して水平に、つまり平らになります<写真4>。
写真3
写真4
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コインを拳の中へ押し入れる時は、左手の人差し指を少し広げるとスムーズに入ります。今の時点で、左手人差し指の指先はコインの縁を押さえています。左手の人差し指のベースに対する左手の親指の圧力は、コインをその場へそのまま保持しておく役目を果たしています。
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そして右手は2枚目のコインを取り、空中へ投げて受け止めて、右手の平のコインを客に示します。
それから右手を左手拳の上に持ってきて、前に示した<写真2>のようにコインと表面上は拳の上に挟みます。
しかし右手が拳の上をカバーした時に、左手人差し指は1枚目のコインの縁を握り締めます。するとそのコインは約半分が、拳の上に真っ直ぐに突き出します。
2枚目のコインは右手にフィンガーパームします。
右手はその突き出たコインを指先で挟んで、一度持ち上げて、再び拳の上に挟みます<写真5>。
写真5
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これはコインを置き直しているように見えます。
この時に右手は2枚目のコインをフィンガーパームしているので客に気付かれないように注意します。
右手を左手拳から放すと、客は左手拳の上に真っ直ぐに立っているコインを見て、
それは2枚目のコインだと思います。タイミングを上手くやれば錯覚は完璧です。
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そして再び<写真3>のように
右手の人差し指でコインを拳の中に押し込む動作を繰り返します。
実際には再び、コインを<写真4>のように
突き出す位置に押し込みます。
この時も右手にパームしているコインが見えないように注意します。
写真6
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右手は3枚目のコインを取り上げて、そのコインをすでにパームしているコインのすぐ前に<写真6>のように保持して、パームコインの上にスライドできる状態にします。
そして右手の親指でそのコインを出来るだけ優しくそして静かにパームコインの上にスライドさせます。コインが揃ったら右手の平を上にターンして、客にコインをほんの一瞬チラッと見せます。
そして直ぐに右手は手の平を下にターンさせながら、1枚のように見せた3枚目のコイン(実は2枚)を左手の上へ持ってきます。
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<写真2>のように右手がコインを左手拳に挟む位置にきたら、
左手の人差し指を握り締めてコインを上へ押し上げます。
右手は実際にそのコインを取り、上方に持ち上げます。もちろん右手は2枚のコインをフィンガーパームします。客には、右手の指先に持っているコインが見えています。
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右手は左手拳の方へ戻して、指先に見えているコインを拳の上にはっきりと分かるように挟みます。
そして客の方を見て「よろしいですか、3枚目のコインです」と言って、右手の人差し指でそのコインを本当に左手拳の中へ押し込みます。この時も右手のパームコインが見えないように注意します。
右手はお呪いのジェスチャーをして、右手の甲を客の方に向け、しかも指先を上に向けて左手と同じ高さにします。
そしてパームしているコインの1枚を親指で押し上げます。すると右手指先に1枚のコインが現れます<写真7>。
写真7
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同時にパフォーマーは客の方を見てニヤッとします。ここで恐らく客から「オー!」と歓声が起こるでしょう。
パフォーマーは指先のコインをテーブルへ落とします。続けて右手はお呪いのジェスチャーをして右手の指先に2枚目のコインを現してテーブルへ落とす同じ手順を繰り返します。
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次にパフォーマーは右手の平を上に向けて左手拳の下に位置します。そして左手はコインを右手の平へ落とします。
右手はそのコインを空中へトスして右手で受け止めます。そして右手だけでコインの最上部の縁を、右手の人差し指と中指の指先の間に挟みます。
更にコインの下部の縁を右手の親指のボール部の先端に軽く付けます
<写真8>。
写真8
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左手の平を客に見せて、右手をその状態のまま左手の平に近付けます。
そして右手の小指の外側(下側)全体を左手の平に付けて、コインの表面をはっきりと客に見せます。
次に左手の指を曲げてコインをカバーしたら、右手の親指をコインから離して少し上にやります
<写真9>。
写真9
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この親指の動きはコインを放したという錯覚を与えるための非常に重要なアクションです。
そして右手は内側へターンして右手の甲を客の方へ向けて、コインを右手の人差し指と中指の間に挟んだまま、左手に沿ってパフォーマーの方へ移動します。
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そして右手の親指と人差し指で左袖を少し引っ張り上げます。
これは右手の親指が自由になっているので、人差し指と共に袖の布を簡単につかめます。次に右手は左袖を放して、人差し指と中指の間にコインを挟んだまま左手にお呪いのジェスチャーをします。
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そして今度は先に客を見ながら、前と同じように右手の指先にコインを現してテーブルへ落とします。
続けて客を見て、両手の平を見せて空である事を示しながら何も言わないで少し微笑んで
ルーティーンを終わります。
『Pop Up Coins Across』:
"Ring Ware" P.62~64.