現象
客のサインしたコインがパフォーマーの左耳から右耳へ移動して、次に、右袖から両肩を通り抜けて、左手のグラスへ入ります。
準備
テーブルに透明グラスとサインペンを置いておきます<写真1>。
500円玉を右耳の中へ入れておきます。
(注意の上、自己責任で行って下さい。
耳の穴を栓で蓋をするようにそっと軽くはさんでおきます。
決して指先で取れなくなるまで無理に押し込まないでください。)
写真1
ルーティーン
- パフォーマーは、客に向かって次のように言います。
「これから、これをやると、お金持ちになれないプアマンズトリックという、気の毒な男のトリックをお見せしましょう」、
「500円玉を使いますので、どなたか500円玉1枚を貸して頂けないでしょうか」と言って、客から500円玉を借ります。
「ありがとうございます。それと、あとで同じものであることを証明するためにコインにマークを書いて下さい」と言って、サインペンを渡します。サインが済んだら、「そのコインを使います。このグラスを調べて下さい」と言って、コインを右手に受け取ります。
- 次に、右手を左手に近付けて、次のようにスリービングします。このスリービングは難しくありません。
コインを右手の親指と人差し指と中指で持ち、手の平はパフォーマー側に向けます。左手の平は下に向けます。
右手は左手に近付けて、コインを左手に入れたかのようにしますが、右手を左手の方へ動かして<写真2>、
コインを左手でカバーしたら、コイン放るように左袖の中へ投げ入れます<写真3>。
この時に上体を、ほんの少しだけ左側へ向けると、右手の甲でこの動作をカバーできます。
写真2
写真3
- コインをスリービングしたら、右手はすぐに左手から抜かないで、右手の指を左手で握ってから、右手を左手から抜いて指を大きく開いて、空である事を示します<写真4>。
写真4
他に注意する事は、演技の間は顔を正面に向けたまま、または、少しだけ右側に向けておき、右耳に入れたコインが見えないようにします。
- スリービングが済んだら、「では、よく見ていて下さい。
グラスを顔の右側に付けて、左手のコインを顔の左側に打ち当てます」と言って、
先ず右手が空である事を示して、右手でグラスを持ち中が空である事を示します。
- そして、グラスを顔の右側に持ってきて、グラスの口の縁を、耳たぶに付けます。次にコインを握っていると思われている左手拳を開きながら、左耳に打ち付けます。
同時に、顔を少しだけツンと振り上げて、しかもそれと同時に、右手のグラスの縁を耳たぶに強く押し付けます。
すると、コインは耳からグラスの中へ落ちます。左手は空である事を示します。
- 左手の袖の中には、スリービングしたコインが入っているので、演技の間、左手は上げたままにしておきます。
「コインの音は聞こえました?コインは頭の中を貫通して、グラスの中に入りました」、
「では、次に、このコインを右袖の中に入れて、肩の方へ上げます」と言って、右手はグラスを傾けて、左手の平にコインを出します。右手はグラスをテーブルへ置きます。そして、右手を少し立てます。
そして、左手はコインをはっきり分かるように、右袖の中に入れますが、実際は、コインをシャツの袖の中に入れます<写真5>。
写真5
- 右腕を少しだけ上げて、下方へゆさぶりながら、「あっ、今、上の方へ行っています」と言います。
コインは、体の横に沿って下がり、ズボンのベルトのどこかに引っかかって止まります。
もし、サスペンダーの時は、コインが外へ落ちないように少し注意します。
両手の平を上に向けて広げます。
「両手は全く空です。では良く見ていて下さい。
グラスを左手に持ちます」と言って、左手は指を広げて、手の平がグラスの口の中央にくるように上から握ります。
- 次に両肩をゆさぶる動作をしながら、「両肩をゆさぶると、コインは両肩を通過して、左袖から、グラスの中へ」と言って、左腕を下げます。
すると、コインが左袖から、グラスの中へ落ちます<写真6>。
写真6
この時に、「このように落ちます。聞こえました?」と言って、グラスを傾けて、コインをテーブルへ出して、「同じサインですね」と言います。
そして、右手でコインを取り上げて、左手のグラスの中へ入れます。
「さて、皆さん、金持ちになれない男のトリックを目撃されました」と言ってグラスを振って音を立てます。
『Bull's Eye Coin Tricks』:
"Marlo's Poor Man's Trick" P.11~12.