平川一彦

ベーシック・ムーブ

第10回

インジョグ

 さぁ、次は“インジョグ”です。 これは、第9回の“アウトジョグ”と違って、全てのカードトリックのルーティーンに必ず使うといっても過言ではありません。

    インジョグ

    これは、デックの右半分を上に引き抜くまでは、第9回アウトジョグの解説と全く同じなので、第9回の<写真1・2・3>と同じ動作になります。

    写真1
    写真1
    写真2
    写真2
    写真3
    写真3
  1. 右手で上に引き抜いたパケットを左手パケットのトップへ下す時に、今度は、右手を左手の位置より少し手前に持ってきます<写真4>

    写真4
    写真4
  2. そして、右手パケットを左手パケットのトップへ下して、再び“V字型”を作り、右手パケットを上に引き抜いた時にトップカードを左手親指で左手パケットのトップへ残します。

  3. すると、そのカードは、左手パケットのインナーエンドから約1cm位、手前に突き出ていて、しかも、そのジョグカードのフェイスがインナーエンドからちょこんと出ている左手小指の指先のほとんど先端にタッチしています。

  4. このインナーエンドから出ている状態を“インジョグ”と言い、その突き出ているカードを“インジョグカード”と言います<写真5・6>

    写真5
    写真5
    写真6
    写真6
  5. もうお分かりですね。そう、この左手小指の指先がストッパーになって、右手パケットの残りを左手パケットにシャッフルしてもこのインジョグカードは、デックの中に入っていかないのです。

    しかも、そのインジョグカードの上に不揃いになっているカードのために相手からも見えません<写真7>

    写真7
    写真7

 ここで、前回も言いました“V字型”の意味ですが、これも大切な形です。
というのは、左手パケットの上に右手パケットをシャッフルしている最中に、もし、V字型になっていないと、右手パケットを上に引き抜いた時に、右手パケットのフェイスが左手パケットのバックにタッチしているために、左手パケットのカードが上に出てきて、デックのトップサイドが不揃いになり、見た目も良くありません。

 V字型になっていると、きれいにシャッフルが出来ます。もちろん、両手の力加減も必要です。前回のオーバーハンドシャッフルの両手の形は、必ずこのV字型になっています。

 皆さん、如何でした?素晴らしいテクニックだとは思いませんか?
カードマジックを正確に覚えたい人には、このような基本テクニックを身に付けておくことは、非常に大切です。

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