古川令

カードの手入れの必需品

 前回のファンニングパウダーに続き、今回はカードのメンテナンスに役立つアイテムのご紹介です。 カードを扱って面白いと思う事は、上達するほどカードは痛まないという事です。 従って、他人が使っているカードを見ると、ある程度熟練度が判ります。 極端に言えば、初心者のカードはやや湿り気があり滑りにくくカードに癖がありますが、上級者のカードはさらっとして開きやすいです。

 ミリオンカードに慣れない時期は、手に汗をかきやすいためにカードが湿りやすく、湿った状態ではカードに癖がつきやすい事が原因なのかも知れません。私の場合、大学1年の時はBeeというブランドを使っていましたが、消耗が早いので少し安いSteamboatに切り替えました。蛇足ですが、クロースアップ用のバイスクルも湿って歪みました。 大学のサークルの先輩からは、湿ったカードにはアイロンをかける事を教えてもらいましたが、どうもしっくりしませんでした。 2年になると手に汗を握らなくなったためか、バイスクルは気になるほど変形しなくなりましたが、ミリオンカードは問題で、辞書などを重ねて対応していました。

 現在愛用しているMillion Cardというカードは、滑りの仕上げで微妙に均一性が悪いロットもあり、何年使えるかはファンニングパウダーとの馴染み方による滑り具合にもよりますが、少なくとも何年も使える事は間違いありません。 カードの痛み方が汗の問題だけではないと思ったのは、ジャンボカードやマンモスカードの傷み具合からです。慣れてくると同じだけ練習してもカードの痛み方が減ってくるので、慣れない時期には無駄な力がかかっているのかと推測している次第です。 これはミリオンカードに限った事ではなく、おそらくバイスクルでも同じではないかと思います。

 前置きが長くなりましたが、カードの手入れでは、カードの反りをなくす(一定にする)事が大事で、レギュラーカードでは写真のような市販のカードプレスが今の私には極めて有効で必需品です。表裏交互にセットしてネジでプレスするだけですが,特に使い込んだカードでは,カードケースに入る枚数が違います。アクリル板のプレスは、必ずしも購入しなくても東急ハンズでアクリル板とビスとナットを購入し、アクリル板に穴空けて自作する事もできます。ちなみに写真も長いビスは付属品ではなく東急ハンズで購入しました。 以前は、カードの上に辞書などを積み上げてカードの癖を直していましたが、カードプレスの方が明らかに強力で手間もかかりません。

 カードプレスが便利なのは、トリックカードの作製にも使える事です。例えば、カードの一部に糊付けする場合や、ブランクカードにシールを貼って作成したオリジナルカードの反りを揃えるなどの場面で重宝しています。

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