前回は愛用のミリオンカードの製造中止の話でしたが、
今回はそれにも通じるところがあるファンニングパウダーについて書きます。
ファンニングパウダーは滑りを良くする素材として工業的にも広く利用されているある化合物で、
こちらは製造中止の心配はありません。
私は、富士奇術研究所製とあるマジックショップの商品を併用しながら、同じ粉を20年以上は使ってきました。
実は3年位前からコンテストも視野に熱心な練習を再開したのですが、どうもカードの感触が良くなく気になっていました。
カードの劣化が原因かとも考え、結局古いカードの使用をやめて、
新品に切り替えたのですが、どうもしっくりしていませんでした。
その頃、長年使ってきたファンニングパウダーの在庫が無くなってきたので、東急ハンズで購入してみて驚きました。
おそらく同じ化合物と思うのですが、なぜか今までのパウダーと違うように感じます。
例えば、富士奇術社製の場合には、少なくとも購入初期の頃は、パウダー処理直後のカードは使い難く、
実際にステージで使用する前に適度に使い込む必要がありました。
強いて言えば、パウダーがほとんど残っていない位の状況が一番使いやすい状態でした。
一方、東急ハンズの商品はパウダー処理直後でも使用にあまり支障なく、
むしろ使用によって早く使い勝手が悪くなる傾向があるように思います。
一方で嬉しかった事は、微妙に具合が悪くて過去に使えなくなったカードも新しいパウダーで復活したことです。
古いパウダーでの劣化原因が良く判らないのですが、長期間、空気や湿度に触れるとパウダーの微粉末が凝集するなどで物性が変わるのかも知れません。
本来は、顕微鏡での粒度の確認や、本当に同じ化合物なのかどうかを確認してから書くべきかも知れませんが、
少なくとも今のファンニングパウダーと古いファンニングパウダーには違いを感じます。
もし古いファンニングパウダーで諦めている方がいらっしゃれば、新しいパウダーで試される事をお勧めします。