土屋理義

マジックの切手
第25回

ケラーと後継者サーストン


ケラーの切手
(グレナダ発行)

 アメリカを代表する大マジシャンの一人、ハリー・ケラー(1849-1922)と、その後継者となったハワード・サーストン(1869-1936)の切手と特製の封筒です。
 封筒のポスターは、絹の布地(シルク・スクリーン)に印刷し貼った特殊なものです。


ケラーのポスター「カルナック王女の人体浮揚術・1894年」


 封筒には次のように印刷されています。 「ペンシルバニア州のエリーで生まれる。フル・イブニングショーにより、アメリカ国内のみならず2回にわたる世界ツアーを行なった。マスケリンが発明した空中浮揚、霊媒の小部屋(スピリット・キャビネット)、サイコ(自動人形)を含む、いくつかの自動機械のトリックを演じた。

サーストンの切手
(グレナダ発行)


 彼のポスターの多くには、赤い小人の悪魔が描かれ、それは他のマジシャンたちにも引用された。 ケラーは大きな公演の際には、きれいな大型のポスターを宣伝に使った。
 1908年に引退した際、後継者としてサーストンにマジック・ウォンドを手渡し、サーストンはアメリカでもっとも有名なマジシャンとなった。」


サーストンのポスター「空中浮揚」


 封筒の文章は次の通り。「30年以上にわたりアメリカの超一流のイリュージョニストであった。彼の数え切れない「宇宙の不思議なショー」の演技の中で、最も有名な演技-美女が空中に上がっていき、ステージ上を浮揚している時、サーストンは次のように唱えたのだった。『彼女は、何の支えも無しに、その意思の力だけで、2時間でも、2週間でも、2年間でも空中で眠っているのです。でも、ちょっとした音や、ささやきが、彼女を目覚めさせてしまいます・・・』と。」 (貼られている切手は1992年の世界米国切手博の記念切手で、マジックとは関係がない。 押されている消印は、「1992年11月7日付・ニューイングランド・マジックコレクター協会の集まり」の記念印)

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