奇術の起源は非常に古い。
古代エジプトで、ある奇術師が王様の面前で鵞鳥の首を切って、それをその場でモト通りにつないで見せたと言う記録が残っている。
その記録はパピルスと言う草の幹から作った紙に、エジプト文字で記されたもので、現にロンドンの大英博物館に保存されている。
記録としては、恐らく世界最古のもので、今を去る6000年前のものであろうといわれている。
パピルスとはパピルス蘆(アシ)の事で、古代この繊維で紙を作った。
ペーパーはPAPERだが、PAPYRUSは古代エジプト語でペーパーの原語である。
私のマジック関係の友人で紙関係の仕事をしている方が、ご同業の友人から「商売の守り神に・・・」と、エジプト カイロのパピルス博物館で買い求めた“パピルスに書かれた壁画(壁紙)”を頂いたとの事である。
その時、同時に、その壁紙と同じパピルスで作ったトランプも頂いたそうである。
友人は、私がカードコレクションをしている事を知っていたので、好意で、このカードを私に譲ってくださった。
他では入手不可能な、誠に貴重なカードである。
東京王子にある「紙の博物館」の玄関にパピルスを植えた鉢が展示されている。
そう言えば、半世紀に亘りマジックの研究をして来た父も、庭に「これがパピルスだよ!」と言って、自慢げに植木の鉢を見せ、大切にしていた事を思い出した。
40年近く前の話であるが、今、考えると、生きたパピルスを、何処で、どうやって入手したものだったのだろうか?知る由もない。
以上とは別に、過日、エジプト考古学者 吉村作治監修の「古代エジプト 神秘トランプ」を入手した。
A~Kまでの各13枚のフェースには代表的な13人の神様が、またバックには古代エジプトの壁画に描かれた天空の星空がデザインされている。
このトランプはエジプト関係の催物の時に販売しているようである。