氣賀康夫

最も優れた易しいトライアンフ
The Best and Easiest Triumph


    <解説>
    トライアンフというのは20世紀最大の奇術研究家とされるダイ・バーノンがThe Stars of Magicシリースで発表したカード奇術の一傑作をさします。 この奇術が優れているのは、そのプロットが斬新であったことと、もう一つそのために開発された技法がそれまでに存在しなかった新機軸であったことです。 その解説に推薦文を書いたジェコブ・デーリ―博士はこの技法は過去に難技法とされたフォールスリフルシャフルを万人向けにした大発明であると喝破しています。 一方、この奇術の現象は世界中のカード奇術研究家を虜にすることとなりました。
    その結果、大量のトライアンフ(それらを筆者は広義のトライアンフと呼ぶ)を生むこととなりました。 現在、広義のトライアンフがどのくらいあるのか?は筆者も確認ができないほどです。

    ところが、見ていると、どの作品も原作である狭義のトライアンフよりも優れていると認められないものばかりです。 言い換えると、ほとんどの新作は原作より勝るとは思えない代物です。
    ここに紹介する新トライアンフは筆者の構成による新しい提案ですが、これは演じるのが原作よりも易しく、 効果は全く変わらないという優れものに仕上がっています。ぜひ、原作と比べてご研究いただきたいと思います。





第18回              第20回