<解説>
この奇術はニューヨーク州の一奇術家が筆者の恩師の一人である高木重朗氏に見せた奇術がその原案となっています。
それをよく分析してみると、前半はすでに古典となった感のあるビル・サイモンの名刺を使って演ずる予言奇術がそのもととなっており、その後、アル・サッチャーが動作に改良を加えた優れた手順であることがわかります。この方法についてはニック・トロストがその著書で言及しています。
また、この手順の後半は、カード奇術ではよく知られた原理を巧妙に活用しています。
そして、筆者が工夫を加えたのは、後半の部分で、予言に必要なセットを手順の進行上の自然な動作に解け込むように構成した部分です。
このアイディアに気づかないと、その原理を知っている人でも実演を観てだまされるだろうと思います。
なお、この奇術には準備が全く不要なので、レパートリーにしやすい手順だと思います