<解説>
この奇術はいわゆるキーカードロケーションのお手本のような奇術です。
よく似た作意の名作にダイバーノンのEmotional Reaction(Inner Secrets of Card Magic)があります。
筆者が構成したこの奇術も、日常よく行われる動作の中でキーカードを用いる巧妙な作戦になっているために、キーカードの原理を百も承知の奇術家がその種を見落とします。
全体として同じ効果の現象を二回繰り返して演ずるように構成されていますが、夢にまつわるストーリーが面白く、しかも前半と後半が同じ動作に見えて、実は全く異なる方法のキーカードの使い方であるため、ますます見ている人にとって種が想像しにくくなっています。
こういう奇術をレパートリーにして演じていると、いいカード奇術を演ずるのには何も難しい技法を駆使する必要がないのだということを実感します。