前回(第28回)と同じDICを利用して少しだけレベルアップしたトリックを解説します。
ここでは《センターリバース》というテクニックを使います。
現象
二人の客にそれぞれカードを選んでもらいます。スプレッドすると一人の客のカードが
フェイスアップで現れ、次にそのカードがもう一人の客のカードにチェンジしてしまいます。
最後には二人の客のカードがパフォーマーのポケットから現れます。
準備
前回、パンドワー第28回《ジアザーメソッド(1)》のトリックで使用したDICのハートの3を上方に向けて、デックのボトムにフェイスダウンにセットします。
デックからクラブのAとハートの3を取り出して、クラブのAをズボンまたはコートの右ポケットに入れ、ハートの3をコートの左内ポケットに入れておきます。
手順
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ボトムカードの位置を変えないフォールスシャフル、ベーシック・ムーブ第15回《フォールスシャフル(3)》を行い、左手にフェイスダウンに持ちます。右手でスイングカット(別紙参照)して、下パケットを左手パケットに載せて揃える時に左手小指にブレイクを作ります。デックをピークフォースの形に持ち、フェイスを一人目の客に向けて右手の人差指でデックの右上コーナーをリフルして、最初にハートの3をピークフォースします。右手の人差指は残りのパケットを最後までリフルして両手を下方へ下げてデックを揃えます。ブレイクはまだ保持しておきます。
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ダブルカットでDICをボトムに戻します。フォールスシャフルをして、オールラウンドスクエアーでデックの上下を入れ変えて左手に持ちます。手順1と同じくスイングカットして左手の小指にブレイクを作り、二人目の客にリフルでクラブのAをピークフォースします。残りのパケットを最後までリフルします。ブレイクは保持して、両手を下方へさげてデックを揃えてここでセンターリバース(ベーシックムーブ第29回 参照)をします。
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そして二人目の客に覚えたカードが何であったかを聞き、デックをテーブルへリボンスプレッドしてフェイスアップのクラブのAを現わします。ちょうど前回(パンドアー第28回)の写真5と同じ状態になります。ここではパフォーマーは何も言わずにそのカードを写真6,7のようにスプレッドの前方へ出し、前回と同じ手順で残りを左手に集めます。
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次に、パフォーマーは一人目の客に覚えたカードが何であったかを聞きます。客は「ハートの3」と答えます。パフォーマーは「貴方のカードを見つけるのはとても簡単でした」と言って、右手の平をテーブルへ出したカードの上方で、お呪いをするように波打たせてから、カード(DIC)を写真9のようにフェイスアップにします。客はクラブのAだと思っていたのがハートの3に変化しているので驚きます。
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右手は持っているカード(DIC)を、左手のデックのトップにフェイスダウンに置き、インジョグオーバーハンドシャフルでDICを再度トップに戻します。右手を二人目の客の方に出して、覚えたカードが何であったかを聞きます(客はパフォーマーの右手が空である事を無意識に認識します)。客が答えたらパフォーマーはニコッとして、右手をズボンまたはコートの右ポケットへ入れて、前もって入れておいたレギュラーのクラブのAを取り出して、身体の前で一度右手の動きを止めて、客のほうを見てからテーブルへフェイスアップにトスします。
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次に、一人目の客に向いて「もちろん貴方のカードはここに」と言って、左手をデックと共にコートの右内ポケットの中へ入れ(この時、右手でコートの前を握らない)て、素早く左手の親指でデックのトップカード(DIC)をポケットの中へ滑り落します。
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直ぐに左手をデックと共にコートから出して身体の左横に位置して「あっ、こちらのポケットでした」等と、ちょっと間違えた振りをしてカラの右手の平を客の方に向けてからコートの左内ポケットへ入れ(この時、左手でコートの前を握らない事)て、レギュラーのハートの3を取り出し、テーブルへフェイスアップにトスします。DICはポケットの中で静かにしていて、それ以外全てチェックさせられます。
『M.I.N.T. vol.Ⅰ』by Edward Marlo, P.322~323
【訳者注】
ジ アザー メソッド(2)の手順は殆ど前回(パンドアー第28回)と同じなので写真を入れませんでした。