ユゥ・ドゥ・アズ・アイ・ドゥ(1)
今回から3回に分けて紹介するトリックはマーローの中でも非常に易しく
出来るばかりでなく、このトリックをマジシャンがたまたま見たことが
なかったとしたら、その彼等さえも惑わすことが出来るでしょう。
またこの種のトリックは多くのマジシャンが演じていますが、
どれも現象がほとんど同じです。
客は赤デックから1枚のカードを抜いて覚えます。 マジシャンは青デックから1枚のカードを覚えます。 すると不思議な事に2枚のカードは、数もマークも完全に一致しています。
ケースに入った赤と青のレギュラーデック2組をテーブルへ置いておきます <写真1>。
パフォーマーは赤と青のデックをそれぞれのケースから取り出して
フェイスダウンでテーブルへ置きます。
そして青デックを客に渡してシャッフルしてもらいます。
その間にパフォーマーも赤デックをシャッフルして、
そのボトムカードを客に気付かれないように、こっそりと見て覚えます。
これがキーカードになります<写真2>。
パフォーマーは赤デックをフェイスダウンでテーブルへ置き、
客にも同じように青デックをテーブルへ置いてもらいます。
客に「赤と青のうち、どちらか好きな色を言って下さい」と言って、
もし客が赤と言ったら「分かりました、赤デックは貴方で、青デックは私です」
と言って、パフォーマーは青デックを取り、客には赤デックを取ってもらいます。
もし客が青と言ったら「分かりました、私は青デックで、貴方は赤デックです」
と言って、どちらにせよ赤デックを客に渡します。
今パフォーマーと客はデックを手に持っています。
パフォーマーは客に「これから私と同じことを行って下さい」と言って、
次の動作を説明しながら、客と一緒にデックを持って行います。
まずデックの中から1枚のカードを抜いて、その表を見て何のカードかを覚えます。
そしてそれをデックのトップにおいてデックをカットします。
すると客の覚えたカードはデックの中央でキーカードの下にあります。
パフォーマーの動作は抜いたカードを実際には覚えないで、客に対する説明のジェスチャーだけです。
客に「それではデックを交換します」と言って、右手で青デックを
客に渡して、左手の平に客の赤デックを受け取ります。
次にパフォーマーは、客に「貴方の覚えたカードが何であるか私は知りません。
貴方の覚えたカードをその青いデックから抜いて裏向きのままテーブルへ置いて下さい。
私も自分の覚えたカードを出します」と言います。
客がカードを捜している間にパフォーマーはデックの表面を自分の方に向けて、
両手間に広げていき、キーカードを探します。
キーカードの次(右側)が客の覚えたカードです<写真3>。
パフォーマーは、そのキーカードがデックのボトムになるように
その部分からカットして、右手のパケットを左手のパケットのトップへおきます。
するとデックのトップは客のカードです。
デックをフェイスダウンでテーブルへ置きます。
次にパフォーマーはデックのトップカードを取り、その表面を見ないで
客がテーブルへ出したカードの横へフェイスダウンで並べます<写真4>。
「ここに貴方と私のカードが並んでいます」と言って演出宜しく、両手で2枚のカードを
同時にフェイスアップにターンします。
一致しています<写真5>。
客の表情を見て下さい、きっとびっくりしていると思います。
"You Do As I Do" Edward Marlo: "Early Marlo" P77~78
如何でしたか?意外に興味津々だったでしょう?
"Early Marlo"という本は、それ自体内容を詳細に解説していませんので、
手順や使用しているテクニックは原文どおりですが台詞やジェスチャーは
私なりに演出しています。