第6回
ディーリング・ポジション
ここで、カードの最も基本的な持ち方を説明しなければなりません。
これは、カードマジックを行う時に必要なテクニックであり、普通のカードゲームをするときにも使いますので正確に覚えて下さい。
それから、私の解説は、全て右利きの人の場合の方法ですので、左利きの人の場合は、両手の言葉が逆になります。
右手を左手に、また体の動きや手の動きも置き換えるように注意して下さい。
デックの持ち方には、いろいろな形がありますが、今回は次のディーリング・ポジションだけを解説します。 ディーリングという言葉が付いている通り、これは、右手でカードを配るときの左手の持ち方です。
デックを左手の平で握りますが、デックのボトムを手の平にピタッと付けないで、<写真1>のように手の平から少し浮かします。
これにはデックの左サイドを左手親指のベースに付けるというより、デックの左サイドの下側の縁(ヘリ)を親指のベースに乗せるといった方が良いかもしれません。
親指は、デックのトップに伸ばして、その親指の左側をトップの表面に軽く付けます。
人さし指は、アウターエンドに付けますが、そのアウターエンドの下側の縁(ヘリ)が人さし指の第一関節に斜めに乗っています。
そして、デックの右サイドの下側の縁は、中指、薬指、小指の第一関節に乗っています。
当然、その中指、薬指、小指の指先は、デックの右サイドに付けます。
人さし指をアウターエンドに付けるのは、デックが左手から前方へ滑り落ちないようにガードするためです。
左手を後ろから見ると<写真2>のようにデックが左手から少し浮いているのが分かります。<写真2>は<写真1>を手前から見たところです。
デックはあまり手に力を入れないで軽く普通に握ります。
以上、デックをディーリング・ポジションに持つ、と言い、この握り方を“メカニック・グリップ”と言います。
解説にすると長々として、読んでいると疲れますね。
初めのうちは、マジックを覚えるにはこんなに大変なのかと思うでしょう。
私もそうでしたが、デックを片手に少しずつやっていたら、自然に覚えられました。