次のカードトリックは、「私とエド・マーロー 第5回」で解説した“The Eidetic Slide”4段階目の、
スプレッドしたフェイスアップカードの違う見せ方です。
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“The Eidetic Slide”の1~3段階までは同じ手順です。
現在は、テーブルにフェイスダウンで広げたスプレッドの左端の下に、右側にサイドジョッグした1枚のフェイスアップカードが隠れています。
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ここから、左手の指は、スプレッドの左端を持ち上げますが、その下のフェイスアップカードは、テーブルに残したままにしておき、しかも、左手の指をそのカードの左サイドの縁にタッチしておきます。<写真1、2>。
写真1
写真2
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右手は、スプレッドの右端のカードを<写真3>のように、深目のエンドグリップで握っておきます。
写真3
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次に、左手だけを右方向に移動して、スプレッドのカードを集めていきますが、その時に、左手の親指で、スプレッドの下にあるフェイスアップカードも一緒に右方向へ押していきます。 もちろん、そのカードは客には見えていません。
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左手が右手に近付いたら、左手の親指を集めてきたカードのトップへ付けて握ります。
しかし、フェイスアップカードは、テーブルに残しておきます。
そして、右手は親指でインナーエンド、他の4本指でアウターエンドを<写真4>のように握ります。
写真4
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次に、両手をカードと共にテーブルから少し上に持ち上げて、それぞれ左右に引きます。
すると、フェイスアップカードが、まるでスプレッドの中央から突然、現れたかのように見えます。<写真5>。
写真5
私は、このトリックをやってみて感じた事は、大したテクニックも使っていないのに、また、言い換えると、難かしい手が込んだテクニックもなしに、驚くほど効果的な現象を現わすトリックだと言う事です。
それは、両手でカードを集めていき、中央でパッと両手を広げたら、そこにカードが急に出現するビジュアルな、そして、インパクトの強い見せ方だからでしょう。
このテクニックは、他にも応用が出来そうなので、皆さんも研究してみて下さい。
エド・マーロー “Thirty Five Years Later”, p.19.
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Photo: study by CodyR