第15回
フォールスシャッフル(3)
前回は、デックのトップ部分のカードの順番を変えない方法でしたが、今回はボトム部分のカードの順番を変えない方法です。
このシャフルも、デック全体をシャフルしたように見えますが、実際は、ボトムの約12,3枚はシャフルしていません。 ブレイクから右側のパケットの取り方を再度、説明します。 ブレイクを作って、右手に少し力を加えて、デックの両エンドを握り締めると、ブレイクが更に大きく開いて、右手の親指の爪先がブレイクの中に滑り込んで行き、右側のパケットを簡単に握る事が出来ます。 別の言い方をすれば、右手の親指の爪先の甲部(背部)が、左側のパケットのフェイスにあたり、そのパケットを左方向へ押し広げる形になります。 それで右側のパケットが取り易くなります。 エルドナーゼは、次のように述べています。
ジョッグを作って、その上にシャフルする時には、右手を、ほんの少し前後に動かして、ジョッグカードの上にシャフルします。すると、デックの両エンドが少し不揃いになりますが、その方が故意に突き出したジョグカードを効果的にカバーしています。
また、彼は続けて次のように言っています。
有能なシャフラー(シャフルする人)は、カードを完全に均一には揃えません。不揃いのほうが規則正しく揃っているより、更に自然に見えます。これらのシャフルを正しく行なえば、全く、本当のシャフルと見分けがつかないでしょう。
彼の言っている事は、本当に物事を的確に判断しています。現代のカーディシャンのほとんどが、彼のテクニックを参考にしているのも頷けます。