古川令

ファンニングパウダー用の新容器

 ファンニングパウダーについては以前に紹介しましたが、今回は手や机が粉で汚れない改良容器をご紹介します。


 ファンニングパウダーは、以前は富士奇術研究所が販売していた布袋入りの製品を使用していました。袋の両面の素材に違いがあり、片面でタップして粉を出し、別の面で過剰分をふき取るような方法でした。布でふき取るので均一に塗布できました。
 1個500円で何年も使えて重宝していましたが、販売終了後は東急ハンズで紙袋入りを購入していました。写真は新品の状態ですが、紙袋を持っただけで手が粉まみれになり、カードに塗布する際には、広げた新聞紙も粉まみれになりますし、こぼれた粉はもったいないのですが、それを再利用するにも限界がありました。また、粉まみれの手で袋をプラスティックのケースに戻すので、容器そのものも粉だらけになり、ジッパー付きのビニール袋などに入れておく必要もありました。

 ちなみに、ファンニングパウダーの塗布方法としては、紙や布の袋を使って塗布する方法以外にも、
・ビニール袋にパウダーとカードを入れて振る(ケビン・ジェイムス)
・テーブルにカードを広げてパウダーをかける(ロコスラノ)
・木製の箱にローラー式で1枚ずつ挿入して塗布する
などの方法があるようですが、もっと簡単で手も汚さない方法を考えましたので、ご紹介します。

まず中蓋と上蓋がある容器を用意します。写真はゆず胡椒の容器です。


容器にファンニングパウダーを粉の状態で入れて、中蓋をします。


中蓋の上にガーゼを2重にして被せ、輪ゴムで止めます。
輪ゴムは2か所で止めるのがお勧めです。


回りの余分なガーゼを切り取って、蓋をすれば完成です。


 写真は黒い紙に丸くこすりつけた結果ですが、このように薄く均一に塗れて粉立ちもありません。パウダーを濃い目に塗りたい場合は、瓶をカードの上で軽くタップすると多めに粉が出ますので、それをガーゼの面で均一に塗り広げます。紙袋の場合には、過剰のパウダーがカードに残るので、軽く布で拭くか、カードスプリングなどを行って過剰のパウダーを除く必要がありました。この方法では、パウダーをカードに馴染ませればすぐにも使用できます。

 パウダーを瓶に入れて塗るというこの方法では、手にほとんど粉がつかないだけでなく、粉の無駄がないというメリットもあります。また、ガーゼによる篩分効果もあるのか、布を通した方がカードの仕上がりも良いような印象です。ファンニングパウダーを使用されている方はどうぞお試し下さい。

先入観の利用ついて(3)    本番前の手のケア