古川令

再び、照明と服装について

 以前に、ミリオンカードのステージは白いカードが映える大黒幕前と書きましたが、最近はホリゾントを使うようになりました。ラビリンスに書いている事とやっている事が違うというご指摘を受けないように、今回はその言い訳です(笑)。
 ホリゾントを使う事を考えた理由は、最近流行のブラックアートとの差別化にあります。カードの側面や裏面を黒くするブラックアートでは、今までになかったような不思議な出現や消失の現象が可能になります。カードマニピュレーションでのブラックアートの考案者が誰かは不明ですが、私はピーター・マーベイの演技が印象に残っており、マジックとしてのアイデアは素晴らしいと思います。韓流のマニピュレーションもブラックアートと最新のメカもフルに活用しています。
 しかし私には、「人まねはしない」というポリシーと、「演ずる条件が少ないマジックほど良い」という考えがあり、「そもそもスライハンドはメカや仕掛けではなく技術で見せるもの」というこだわりもあって、今後もブラックアートの利用は考えていません。逆にこれだけブラックアートが流行るなら、逆に「ブラックアートを使っていない」というアピールのためにホリゾントを使う事を考えました。 ホリを使うと土星カードなどで都合がよいだけでなく、後方からの光になるので、投げ上げた空中のカードが大黒幕よりも見やすいという利点もあります。

 ついでに言えば、衣装もタキシードはやめてベストにしました。これもブラックアートとの差別化の意味もあり、少しでも楽しさや軽快感を出そうという狙いです。普通のベストだとちょっとラフ過ぎると考え、やや派手ですが襟はグレーのシルクシャンタンにしました。ベストだと、軽くて肩が凝らないというメリットもありました。
 セットがほとんど不要なので服装についての制約が少ないのが私の手順の特徴で、土星カードさえやめれば、シャツも着ずに今のフル手順が可能です。「水着で演じるミリオンカード」のリクエストは多いのですが、実は「脱いでも凄くない」のが問題で、ペンドラゴンのような肉体改造ができるか?という課題もあります(笑)。

再び、マンモスカードについて   愛用のカードが製造中止に!