バーディーコヤマ

第2章  型と歴

 武芸の世界では「型」が重んじられます。まず1つの型を、徹底して身につけることは、その後、自分自身の型を~オリジナリティを~創り上げる上で欠かせません。初級の段階で、あれもこれもと、色々な型をつまみ喰いするようにしていると、いつまでたっても誰かのモノマネで終わってしまいます。

 他の考え方、他の型にも目を転じ、少しずつ視野を広げていっていただければと思います。そこには、私の考え方と真逆な考え方もあるかもしれません。このようにして様々な「型」をそれぞれ体系として学びながら、あなた自身の「型」を創ってください。
ネット上の動画を見て、よいところの真似をしているだけでは、いつまでたっても優れた演技ができるようにはなりません。
コツコツ勉強することです。学問に王道がないように、マジックの見せ方・演じ方にも王道はないのですから。

 マジックはトリックが無ければ成立しない芸です。仕掛けさえわからなければ見ている人にそれなりにインパクトを与え、通用してしまうことがあります。 ですから見せ方、技術、所作等の演技の部分がないがしろになっていないか気になるところです。
よくマジック歴何年という表現を使いますが、「実演時間」は「マジック歴」とは違います、「何十年やっていても下手は下手、キャリアが浅くても上手い人は上手い」、というのが私の率直な実感ですから、「マジック歴」はあてになりません。

 でも「実演時間」となると、そのマジシャンの能力を評価する上で、確かに1つの良い指標にはなるかもしれません。長時間実演をした実績があるのなら、その演技は少なくとも、「観客の鑑賞に堪えうるもの」であり、「一定の観客からはそれなりに需要があるものだ」だという証明にはなるでしょうから。
ダメなマジシャンなら人前で演じるチャンスすらなく、実演時間は短くなりますからね。とするならば、「いつ、どこで、何を、何分演じたか」というようなことを記録として残しておくことは役に立つことかもしれません。実演時間算出の根拠にもなるわけですから。

 ただし、惰性でマジックを演じているだけでは、いくら実演時間を稼いでも、マジックの演技は上達しないでしょう。マジックの基礎を踏まえて常により良い演技を目指しながら実演を重ねていかなければ、進歩はないでしょう。 「実技」に対して「座学」が必要であるように、「実演」に対しては「基礎」が欠かせないものです。それでは「実演」をするための最も基礎となる事柄とは何でしょうか?
一口に「マジック」といっても、クロースアップからイリュージョンまで、さらにはコメディー・マジックやメンタル・マジックなど、様々な分野に分かれますが、その様々なマジックに共通する、人前で演じる上での「基礎」を以下の7項目にまとめ、それらについて、私の長年の経験から解説してみたいと思います。


タイトル ≪マジックを演じるあなたへ≫
第1章 はじめに
第2章 型と歴
≪マジックを演じる上で、まず考えておくべき7項目≫
第3章 Readiness 1 ~心構え~
第4章 Entrance and Exit 2 ~登場と退場~
(1)登場
(2)退場
第5章 Showmanship 3 ~ステーでの立ち振る舞い~
(1) 目線
(2)立ち姿とポーズ
(3)動作
(4)思想
第6章 Presentation(1) 4 ~マジックの見せ方~
(1) 語り
第7章 Presentation(2) 5 ~芸としての見せ方~
(1)「芸」とは何か
(2)形
(3)意味 
(4)思想
第8章 Routine 6 ~手順構成~
(1)演目ごとの手順とショーの手順
(2)サイレントショー(演技)の手順
第9章 BGM. Lighting and Costume 7 ~音楽・照明・衣装~
(1)音楽(BGM)楽曲の使用に関して
(2)音楽(BGM)楽曲を探す
(3)音楽(BGM)楽曲の編集と提出
(4)照明・照明の使用に関して
(5)照明・照明の使用の実際
(6)衣装・気を付けるべき点
(7)衣装・燕尾服について

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