松山光伸

手品の裾野を広げ多くのファンに
敬愛されたマーチン・ガードナー

パズルの解答

スフインクス誌に出題されたパズルは、その応募状況が次号で「寄せられたほとんどの解答が誤りだった」と報告されていた(Lots of answers but only a few were correct.)。そこには誤解答の傾向は書かれていなかったが大多数は「解は存在しない」という解だったと考えられる。私が東京の ”G4G”(Gathering For Gardner)で「15歳のガードーがこのパズルに挑戦したというエピソード」を紹介した時も似たような反応があって、出席されていた或る方から間髪を入れずに「これはグラフ理論でとうの昔から解のないことが証明されている不可能問題である」との声があがったからだ。 超能力者の手による超常現象には普通の人より学者や専門家の方がだまされやすいということが昔からよく言われているが、このパズルは正に専門家や固定観念を一旦持ってしまった人が陥りやすい格好の題材になったようで、実際には解が存在する問題なのである。
 ヒントは、3つのキャビネットには短い4本の脚がついているところにある。すなわち、キャビネットの底面が床から浮き上がっていることがポイントになっている。図を見れば一目瞭然であろう。

パズル回答

この解答例で分かるように、赤線で示した ”Power” ボックスからの配線のうち ”No.2” のキャビネットにつながる線は ”No.3” のキャビネットの下をくぐっていて、それによって ”Light” と ”No.3” を結ぶ青い線と交差することがないようにしている。ようやく手品師の上演準備が整うことになったというわけだ

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