氣賀康夫

その世のものにあらず
Out of That World


    <解説>
    この奇術の原案は20世紀最大のカード奇術家とされるDai Vernonが 「これこそ二十世紀に考案された唯一のカード奇術!」と激賞した有名なPaul Curryの名作「Out of This World」です。 原作が発表されてから、いろいろな奇術家が改作を発表していますが、原作を越えていると私が思った作品はありません。 それでも、この名作について筆者は一つだけ問題意識を持ち続けてまいりました。それはこの奇術の最後の現象が素晴らしことには疑問余地がないが、そこに至る手続きには改良の余地があるのではないかという点です。

    第一に途中の手続きがあまりに長く退屈です。また手順の中間でなぜか赤と黒のカードの位置を取り換えるということが必要です。 この中間点でのカードの入れ替えはこの奇術の種に関係するので避けることができないと信じられてきましたが、その困難を上手く解決できれば、手続きが長いという不満も同時に解決ができるはずです。

    このような問題意識で構成したのが、ここにご紹介する筆者の作品「Out of That World」です。念入りな準備と綿密な作戦の動作が必要となりますが、決して難しい奇術ではありません。
    では、ごゆっくりご鑑賞ください。





第1回              第3回