現象
デックから取り出した4枚のAがブランクカードに変化して、そのカードにデックを加えるとそのデックまでもブランクデックに変化してしまいます。デックは調べさせられます。
準備
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第10回と第11回の手順(1)、手順(2)で使用した6枚のカードで、
赤バックのブランクフェイスカードを除いた5枚(全て青バック)を使用します。
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その中のバックにラフ加工をしたスペードのA(レギュラー)のフェイスと、
ブランクインデックスカードのハートのAのバックにもラフ加工をします。
つまり、スペードのAは両面ラフ加工です。
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上記のカードのバックと同色同柄のブランクフェイスデック1組(47枚)。
左手にブランクフェイスデックをフェイスアップに持ちます。そのフェイスにブランクフェイスカード(フェイスにラフ加工)をフェイスアップで置き、その上(フェイス)に両面ラフ加工のスペードのAをフェイスアップで置きます。つまり、デックのフェイスにはスペードのAが見えています。しかもこのスペードのAはその上のフェイスにラフ加工したブランクカードにくっ付いています。
他の3枚のブランクインデックスカードのAは、ダイヤ、クラブ、ハート(バックにラフ加工)の順で、そのインデックスを全て上向きにしてデックの中にバラバラに入れておきます<写真1>。
セットしたデックをフェイスダウンにして、上下を逆(ブランクインデックスは左下コーナー)にしてケースに入れてコートのポケットに入れておきます。
写真1
手順
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右手はポケットからケースを取り出して左手に置きます。
そして右手はケースからデックを出し、左手はケースをテーブルの端に置きます。
右手はデックを左手にフェイスダウンに置き、<写真2>のようにアウターコーナーを握って
内側(パフォーマー側)にターンしてデックをフェイスアップにします。
スペードのAが客に見えています<写真3>。ブランクインデックスは左上コーナーに来ています。
パフォーマーは何気なくデックのフェイスを自分の方に向けて、左手の甲とデックのバックを客の方に向けます。
写真2
写真3
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次に右手をデックに近付けて右手の指でフェイスのスペードのAと
その次のラフ加工でくっ付いているブランクフェイスカードを一緒に
上方へジョグアップして、続けてデックを両手に広げていき、
残りの3枚のAをそれぞれジョグアップします。<写真4、5>(写真5は客側から見たところです)。
この時にデックのブランクフェイスが客に見えないように注意します。
(ジョグアップのテクニックは後で解説します。)
写真4
写真5
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デックを閉じるとそのアウターエンドから4枚のAが突き出ています。デックを左手に持ち、右手は4枚のA(実際はスペードのAと1枚のブランクフェイ
スカードがラフ加工でくっ付いているので5枚のカード)をデックから取り出します。左手はデックをフェイスダウンでテーブルに置きますが、その時もデックのブランクフェイスが客に見えないように注意します。
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右手はパケットを左手にフェイスアップに置き、<写真6>のようにファンにして客に示します。(あまり広げ過ぎないように注意します。)4Aです。もちろんフェイスはスペードのAです。そして右手はファンをフェイスアップのまま左手に閉じて、右手の親指をパケットのアウターエンドのフェイスに、他の指をバックに付けて握り、パケットを内側(パフォーマー側)にフェイスダウンにターンします。
写真6
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するとインデックスコーナーは左下コーナー(パフォーマー側)に来ます。
パケットのボトムカード(スペードのA)の右下コーナーを<写真7>のように左手の小指でプルダウンして、ラフ加工から剥がしたスペードのAを右手で左手のパケットのトップ(バックにラフ加工したハートのブランクインデックス)に移します。そしてパケットの上でパチンと指スナップをします。
写真7
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右手はパケットのインナーエンド側から親指をフェイスに、他の指をトップに付けて握り、カードを外側へ大きくファンに広げてから<写真8>のようにフェイスアップにターンして全てブランクカードになっているのを示します。
そのトップ(一番下)のスペードのAはその上のハートのインデックスカードの
バックにラフ加工でくっ付いています。
写真8
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右手はファンをフェイスアップのまま左手に閉じて、<写真9>のように
パケットの右サイドを握って本のように左横にターンするとパケットはフェイスダウンになり、インデックスは左下コーナーに来ます。
写真9
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今、左手はパケットをディーリングポジションにフェイスダウンで保持しています。右手はデックを取り上げてそれをフェイスダウンで左手のパケットの上に置きます。(この時もデックのフェイスが客に見えないように注意します。)
※この時点で三つの選択肢があります。
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右手は単に左手のデックをフェイスアップにターンして、そのデックをテーブルに左から右へリボンスプレッドして全てのカードがブランクフェイスになっているのを示します<写真10>。フェイスから5枚目のスペードのAはラフ加工で右横のハートのブランクインデックスカードのバックにくっ付いています。
写真10
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左手はパケットをフェイスダウンでギャンブラーズパームの位置に持ち、右手がデックをそのパケットの上に置くと同時に、左手の小指の指先でデックとパケットの間にブレイクを作り、そして右手は躊躇なくブレイクから上のデックを取り、テーブルにフェイスダウンで右から左へリボンスプレッドします。(これはデックをもった右手が単に左手のパケットを取り、テーブルにリボンスプレッドしただけと言うことを相手に示しています。)
パフォーマーはもし座って演技していたならば左手にパームしたカードを膝に落としますが、もし立って演技していたならばパケットをパームした左手を体の横に自然に垂らします。右手はリボンスプレッドの右端のカードの右サイドを掴み、そのカードを左側にフェイスアップにターンしてカード全てがブランクになっているのを示します。デックは調べさせることが出来ます。
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パケットを持った左手はテーブルエッジの下でなくテーブルエッジの後ろに位置します<写真11>。
右手はデックをテーブルから取り上げて左手のパケットのトップに置きますが、左手の小指でデックとパケットの間にブレイクを作ります。右手の親指はデックのインナーエンドのブレイクを保持しながら上から両エンドを握ってデックを持ちます。こうして、さしあたりパケットとデックとのブレイクを保持します。
写真11
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次は、デックをテーブルに置こうとする時に良く知られている技法を使います。つまり右手は単にデックを左手から取り上げて、テーブルエッジより少し低くしてテーブルに近づけます。そして<写真12>のように右手の薬指と小指のバック(ほとんど爪の部分)がテーブルエッジにタッチすると同時に右手の親指はブレイクの保持を弛めてブレイク以下のパケットを膝に落とします<写真13>。
直ぐに右手を上に上げてテーブルエッジを通過してテーブルの中央へ持って行きます。
そしてデックを今度は左から右にリボンスプレッドします。
写真12
写真13
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それから左手はリボンスプレッドを左端からフェイスアップにターンして全てのブランクカードを示します。もちろんデックを調べさせることが出来ます。
左手でリボンスプレッドをターンして、客がブランクカードに驚いている間に十分なミスディレクションが生じるので、右手は膝に落としたカードを集めて何気なくコートのポケットに入れてしまいます。
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マーローは、ブランクデックに変えた後に次のような演技をしています。
予め4枚の普通(レギュラー)のAをそれぞれ4箇所のポケットに入れておき、そして好きな方法で左手にパームしたパケットをコートの左ポケットに捨てて、代わりに前もって入れておいた1枚のレギュラーAを取り出します。他の3枚のレギュラーAも3箇所のポケットから取り出します。それから続けて他のAトリックを行うことも出来ます。
MAGIC, INC."THOSE WILD, WILD, ACES" by Edward Marlo, P.05~06