現象
パフォーマーは初めに数字を予言します。そして客から数枚のコインを借りて、
それぞれの製造年代を客に合計してもらいます。
するとその合計とパフォーマーの予言が一致してしまいます。
準備
製造年代が異なるコイン4枚(同じ種類、100円または500円。
ここでは100円で解説しています)。
ペン、小型のメモ帳、グラス、電卓 :各1個<写真1>。
写真1
テーブルへグラスと電卓を置いて、コイン、ペン、メモ帳を
上着の右ポケットへ入れておきます。
コイン4枚の製造年代の合計を覚えておきます。
ルーティーン
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右手はポケットからペンとメモ帳を取り出して、メモ帳を左手に
移し、そこから1枚の紙を剥ぎ取り、メモ帳の表紙に置きます。
「この紙に予言の数字を書きます」と言って、客に見えないように、
覚えておいた数字を書き留めます。
次にペンを左手に移して、右手は予言した紙を、
右手だけでしわくちゃに丸めてグラスに入れます<写真2>。
写真2
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そして「どなたか100円玉4枚を貸して頂けませんか?」と言って右手でペンとメモ帳を一緒に右ポケットへ戻しながら、代わりに4枚のコインをフィンガーパームしてポケットから出します。
客からコインを左手に受取り<写真3>、スタックして、親指と人差し指、中指の指先に保持します。
写真3
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パフォーマーは客を見て「コインには製造年代が刻印されています。」
と言いながら左手を右手に近付けて、
物を手から手へ移動させる何気ない動作で
コインスタックを<写真4>のように
右手の親指と人差し指の間に入れて挟みます<写真5>。
その時に右手にフィンガーパームしているコインが客に見えないように注意します。
写真4
写真5
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パフォーマーは客のコインをクリップした右手を、右斜め前の方へ出して<写真6>のように、右手の指を伸ばして、フィンガーパームしていた4枚のコインをテーブルに放します。
写真6
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また、この動作を私は次のようにも行っています。「右手の平を上に向けて出して下さい」と言って、パフォーマーは右手を客の方へ出して、客の手の平にフィンガーパームのコインを落とします。
ここでパフォーマーは、フィンガーパームしていたコインをテーブル、または客の手の平に放すやいなや、「その製造年代を良く見て下さい」と言って、右手を右ポケットへ入れます。
客のコインを放して代わりにメモ帳とペンを取り出します<写真7>。
写真7
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続けて「このメモ帳の紙に書いて下さい」と言って、客が書き終わったら
「初めから誰もコインの数字を知りませんよね、ではその数字をこの電卓で
合計して下さい」と言って電卓を客の方に出します。
(電卓が無い場合は筆記で合計してもらいますが、
筆記だと合計を間違える場合がありますので、
ここは初めから、電卓を使用したトリックにした方が良いと思います。)
客が計算を終わったら「合計数を言って下さい」と言います。
客が合計を言い終わったら、
「ではグラスの中の紙に書いた私の予言を読み上げて下さい」と言って、
客に予言を読み上げてもらいます。予言は見事に一致しています。
(訳者注)
<写真4~6>は客のコインをパームコインとすり替える過程になります。この部分はコインチェンジのその他の方法でも可能です。また、客からコインを借りる時はコインの光沢がパームコインと同じようなコインを借りるようにして下さい。
『Arcade Dreams』JonRacherbaumer Ed Marlo:
"Prediction Total" P.149