このテクニックは、マーローの『フューチャー リバース』や
アーサー バークレイの『カード コントロール』等に解説されていますが、
ここで解説するのはマーローの方法です。
手順2の二人目の客にクラブのAをピークフォースして、残りのパケットを最後までリフル。
両手を下げる。デックはブレイクを保持したまま左手に持っている状態から始めます。
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右手は左手のデックの両エンドを掴んで、ブレイクを右手の親指に移したまま左手の指先に持ち上げて揃えます。
揃える動作が終わった時に右手の4本指(人差指・中指・薬指・小指)は、デックのアウターエンドを
完全にカバーしていなければなりません。右手の親指はデックのインナーエンドにあり、
左手の親指と平行になっています。さらに右手の親指の先はインナーエンドの左下コーナーにタッチしています。
写真1
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右手はデックを左手の指先から手の平へ下ろすと、デックの右上コーナーが右手の小指と薬指の付け根の間に位置します。
また、左手の親指はデックの左サイドに沿っています。
今の時点で、もし両手の位置が正確ならば、右手の人差指の先は左手の親指の先にタッチしていて、
さらに右手の親指の先は左手の親指の付け根の膨らみ(拇指球)にタッチしています<写真1>。
もちろん左手の小指は、まだブレイクを保持しています。
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次に、左手の小指をブレイクに入れて、上パケットを上方に押し上げ、
ボトムのピークカードを右側へ押し出し始めます。ピークカードが少し押し出されたら、
左手の中指と薬指の先で、カードの右上コーナーが、右手の薬指と小指の付け根の間に入る位置まで、さらに右側へ一直線に押し出します。
写真2
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ピークカードがその位置に来たら、それ以上の押し出す動作を止めます。
カードはデックの右サイドから約2.5cm突き出ています。そして、カードの右上コーナーを下から見た
<写真2>のように右手の薬指と小指の付け根の間へ容易に挟むことができます。
写真3
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ここで左手の指は、突き出ているカードより下のパケットの、右サイドを左下方へ下げます。
すると、突き出ているカードの右上コーナーを右手の薬指と小指の付け根の間に挟んでいたために、
カードの左サイドがくるりと弧を描くように右側へ動いて<写真3>の形になります。
写真4
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この左手の動作中はデックのトップにどんな動きも伝えてはいけません。トップは全く動
きません。初めから終りまで<写真1>の両手の位置のままでなければなりません。
<写真4>は右手の指がこの回転動作を十分にカバーしているかどうかを正面から見たところです。
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右側へ動いたカードがほとんど垂直になったら、左手の指を<写真5>のように
カードのフェイスに押し付けます。するとカードはフェイスアップになって下にさげたパケットのトップにピタッと落ちます<写真6>。左手はパケットを静かに上げてデックにします。
写真5
写真6
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左手の指はデックを揃えるためにサイドに押し当てますが左手は動かしません。右手の指と親指をデックの両エンドに押し付けて、不揃いのカードを揃えます。ここで右手をデックから放します。もちろん客が選んだカード(DIC)はデックの中で表向きになっています。
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<写真2.3.5.6>の指の動きは相手に見えてはいけません。
全て、<写真4>の右手の指のカバーの下に行います。
もし、この左手の動作を行うときに、指が短くてデックの前面を完全にカバーできない場合は、
客が直接にデックのトップを上から見る位置に両手を持っていかねばなりません。
事実、これは左手の動きを気付かれない最善の状態です。
『FUTURE REVERSE』by Ed. Marlo.P.3~5
【訳者注】
日本人は手が小さい人の方が多いので、ポーカーサイズのデックより
ブリッジサイズのデックの方が使いやすいですが、
後のことを考えると最初からポーカーサイズのデックで練習しておいた方が便利です。
マーローの《センターリバース》は読むと長くて難しく感じますが、
正確に覚えるとそんなに難しくない事が分かりますので
急がないでゆっくり読んで練習してください。