初めまして、長谷和幸です。この度、新しく連載を担当させていただく運びとなりました。よろしくお願いいたします。
さて、「長谷さんにしか書けない内容を」というお題をいただいたものの、ここではたと壁に突き当たってしまいました。悩んだ挙げ句、学生時代の専攻を活かして“マジシャンと映像の関係を文字にしてはどうでしょうか?”と御提案差し上げたところ、幸い御快諾いただけましたので、とりあえずしばらくはその内容で続けさせていただきたいと思います。
以降、マジシャンの出演した映像・マジシャンの関係した映像を取り上げてゆきますが、ただし「ヨーロッパの夜」「魔術の恋」のような既に語り尽くされた感のある作品、または例えば「プレステージ」「グランド・イリュージョン」の様な近作はここでは取り上げません。更に例えば「南の島に雪が降る」「バンデットQ 」の様な、劇中ワンシーンのみ俳優がマジックを演じるシーンの存在する作品も、採用範囲外とします(本邦劇場公開作品は「」内に日本公開タイトルを表記するものとします。以下同)。
では、一体どんな内容となるのでしょう?私は、一般にほとんど知られていない、ただし奇術史には何らかの意義のある作品を取り上げてゆこうと思っています。作品の順列に関しては時間軸にとらわれず、敢えてランダムに進めてゆくつもりです。
はたして何人の方に興味をお持ちいただけるか、いささか心許ないのですが、しばらくの間お付き合いいただけましたら幸いです。
そこで記念すべき第一回は、論より証拠、私のやりたいことを一番端的に表しているこの方を取り上げます。