ボナ植木

◎思いやり理論1
~それは美しく心地よく見えるか?~

これはサロンマジックあるいはステージマジックでの演技の基本です。
もちろん「思いやり理論」にのっとっています。
私はレクチャーを初めてやる場合これを見本として見せます。
二つのルールがあると考えられます。

1:見せたい物は空間の一定の位置に止めておく。

例えば左手袖に仕込んだ毛花を出す時、ひっぱってはいけません。
その方法は、まず身体を右側に向け、シルクを持った右手で左手の袖花の根本にあるリングをつまみます。

写真1
写真2

そして大事なコツは『袖花のリングをつかんだ右手は空間に止めたまま』左手を左側に大きく振ります<写真2>
すると花は突然、右手に出現したようにみえます。

その花はむやみに動かさないのです。空間にしばしとめておきましょう。
マジシャンがおおげさに自分で驚くポーズをしたとしても、その花は空間にとめておきましょう。

なぜなら、観客にとってその花が魔法で突然空間に現れたと認識しやすいからです。
花を出した瞬間からそれをあちこち動かすのは綺麗ではありませんね。

あるいはコップに水を入れるときやシルクのほどけ結びもしかり。
目立たせたい「コップ」やら「シルク」は空間の一定の位置にしばし止めておきます。
そうすることでお客様にとって何が起きるのかあるいは何が起きたのか認識しやすくなるので。
小さくなるカードもそうですよ。
どんどん小さくなっていくカードの方は空間に止めておきましょう。

何がおきてるのか、わかりやすいからです。

2:動いている見せたい物はそれが動いている時には自分は動かない。

例えば嘘結びのシルクを示したあと、一振りして空中に投げる。結び目がほどけたシルクが空中に漂って落ちてくる時は自分は極端にいうと微動だにしないで、シルクがふわふわ落ちてくるのを待つ方が綺麗です。
シルクが際立つからです。
あるいは手にある紙吹雪を扇子で扇ぐときも、自分は動かずに紙吹雪を上に飛ばし、その中に佇みます。
紙吹雪が際立ちます。

ゾンビボールもしかり。ボールが漂っているときは自分はなるべく動きません。 ボールが空間に止まっているなら、自分はその周りを動いてもいいでしょう。

ダンシングステッキもそうでしょ?
もちろん操る手は動きますが、マジシャン自体はあまり動かずステッキが自分の周りを動く方が、わかりやすいですね。
それの方が見やすいし綺麗です。

もちろん、これらはすべてのマジックあるいは演出に当てはまるわけではありませんが、もしみなさんが自分の演技の中で使えるようならば取りいれてもいいでしょう。

前回                     次回